読みやすく、わかりやすい日本語を書きたい、その1【文章を書くために役立つ情報源】
皆さまこんにちわ。
タイで日本語教師をしています。
私はもりすです。
今回は、読みやすく、わかりやすい日本語の書き方についてご紹介させていただいてよろしいでしょうか。
「いや、ここまでの文章がそもそも読みにくいよ!」
「こんにちわじゃなくて、こんにちはだろ!」
「させていただいてのあたりが、もったいぶりすぎだろ!」
もし、こんな突っ込みを思い浮かべてくださったのであれば、ありがとうございます。
本当におっしゃる通りです。
「お前にわかりやすい日本語を教わりたくなんかない!」
こんなふうに思われた方もいらっしゃるかもしれません。
本当にその通りです。
私は平凡な一日本人です。
日本語学の教授ではありませんし、小説家でも、人気ブロガーでもありません。
しかも読みやすいかどうかの判断は人によって感じ方がさまざまです。
それでも私がこうして日本語について少しずつ書こうとしているのは、英語から日本語に翻訳する経験から得た基礎的な知識や、日本語へのちょっとしたこだわりをシェアしたいからです。
私は、日本語でわかりやすい文章を書くために5年ほど前から真剣に学習し始めました。金田一春彦先生の本を学んだり、志賀直哉先生の小説を書き写してみたりしたこともあります。
それで、何かの翻訳を始めようと思っている方、日本語教師を目指している方、文章を書くのが好きな方、メールやSNSをよく使う方などなど、今回、皆さまにとって少しでも役立つ内容になれば、とてもうれしく思います!
- 「この外国語を日本語に翻訳して“わかりやすく”書いてみて」
- 自分が伝えたいことは何かをまず思い浮かべる
- 読みやすくわかりやすい日本語を目指しているプロに知恵を借りる
- 「日本語は生き物」であることを教えてくれるプロ
「この外国語を日本語に翻訳して“わかりやすく”書いてみて」
もしも急に資料を渡されて、「この外国語を日本語に翻訳して“わかりやすく”書いてみて」と言われたら、どうするでしょうか。
例えば、以下の英語文はどうですか。
The train came out of the long tunnel into the snow country. The earth lay white under the night sky. The train pulled up at a signal stop.
翻訳のプロの方は別として、おそらくですが、一般的には「汽車」から始まる文を思いつくのではないでしょうか。
ちなみに、この文章は、エドワード・ジョージ・サイデンステッカー氏の“Snow country”の序文です。つまり、川端康成氏の「雪国」を翻訳した英文ですね。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
川端先生の文章の始まりに「汽車」はありません。
でも、日本語としては成立しているし、風景が思い浮かぶ名文だ。
日本人の大多数がそう認めてきました。
この英語と日本語の比較で分かるのは、読みやすくわかりやすく魅力的な日本語を書くには、少なからず知識が必要だということです。
しかし、知識と言っても、「そんなに難しいことを調べている時間はないよ!」という方もいますよね。
では、わかりやすい日本語を使う近道は何でしょうか。
自分が伝えたいことは何かをまず思い浮かべる
川端氏の文章では「汽車」を最初に言わないことによって、「雪国」が一瞬で目の前に広がる効果があったのではないでしょうか。
伝えたい内容は何よりも、情景だったわけです。
英語の場合もそういう意味では一緒で、情景を表現してくれています。
自分がこの文章で何を伝えたいのかを思い浮かべる。
これは、わかりやすい日本語を書いたり話したりする基本ではないでしょうか。
外国語から翻訳する時に陥りやすいミスの一つは、そもそも何を伝えるか定まっていないことです。
何を伝えたいかがはっきりしたなら、次はその内容を日本語で丁寧に伝えるステップになります。
読みやすくわかりやすい日本語を目指しているプロに知恵を借りる
カレーライスは結局、市販のカレールーで作るのがおいしい。
だってプロだもの。
これは一理ありますね。
ではもっと突き詰めると、市販のカレールーはどんな意味でプロなのでしょうか。
市販ルーは、家庭で作る本格スパイス自作カレーと何が違うのでしょうか。
それは、どれだけ売り上げが伸びるかを意識しているかどうか、つまり大衆を意識しているかどうかです。
日本語についても同じです。
どんなに個人的な感覚で日本語のわかりやすさを追求しても、プロとは言えませんね。
どれだけ多くの人に受け入れられるか、つまり世論を意識しなければ、日本語のプロとは言えません。
では日本語の世論を意識しているプロがいますか。
今の世の中、便利なもので、一般人でもプロの知恵を取り入れることができます。
私がおススメするプロが2人います。いえ、正しく言えば、権威となる情報が2つあります。
「日本語は生き物」であることを教えてくれるプロ
自分とは年齢の違う世代と話すと、言葉が通じない経験をしたことがあるかもしれません。
また、昔よりも、近年よく耳にするようになった日本語があって、「果たして使い方は正しいのだろうか?」と思うことがあるかもしれません。
実は、世代別の日本語の差異や、言葉のゆれの変遷を教えてくれるプロがいます。
①文化庁
②NHK
どちらも、大変素晴らしい参考情報を教えてくれます。
もし興味がございましたら、2つのサイトの最近の情報を中心にご覧になってみてください。
ちなみに冒頭で述べた志賀直哉先生、金田一春彦先生の本も貼っておきますね。
さて、次回「読みやすく、わかりやすい日本語を書きたい、その2」(仮)からは、上記の2つのサイトなどをもとに以前調査して得た情報を、私なりにまとめてみてシェアしようと思います。
ブログを読んでくださり、ありがとうございます!
皆さまがお持ちの、読みやすい文章へのこだわりなど、コメント大歓迎です。
転載もご自由になさってください(^^)/